今回紹介する展覧会は、京都国立博物館で開催されている特別展 北野天神です。
京都北野天満宮で所蔵されている史料を中心に展示されています。
菅原道真公の幼少期から、神になるまでを描いた北野天神縁起絵巻や天神坐像など、道真公を深く知ることのできる内容となっています。
そして、刀剣乱舞とのコラボレーションということで、髭切・膝丸の太刀を並んで見ることのできる貴重な機会!とても圧巻だったので、個人的に印象的だった史料と併せて、レポしていきたいと思います。
一部、図録に記載されている解説文を参考にさせていただいておりますので、ご承知おきください。
【第一章 天神信仰】
この章では、道真公の遺品として実際に使っていたとされる史料や、神となった道真公の天神坐像等を見ることができます。この章でご紹介したい史料が
束帯天神像 伝雪舟筆
室町中〜後期に活躍した水墨画人として知られる雪舟等楊の画風を汲む、雪舟流画家の手による束帯天神像です。岡山の人間として、備中国出身である雪舟さんの名前が出てきたので、紹介せずにはいられませんでした。雪舟様式に則る束帯天神像は、いくつか現存するものがあるんですね。
画中の右側に「行年八十三歳雪老筆」と落款がありましたが、真正ではなく雪舟筆と明言されてはいませんでしたが、そのDNAを感じることができました。
第一章では、多くの束帯天神像が展示されていて、それぞれ表情や出立ちが様々でしたが、この天神像はとても穏やかな表情をされていて、節目がちな目線に哀愁のようなものを感じました。
他の天神像は、キリッとしたお顔をされていたり、怪訝な表情でこちらを見つめていたり、色々で見ていて面白かったです。
【第二章 北野天満宮の歴史】
この章では、北野天神縁起絵巻の世界にどっぷりと浸かることができます。
北野天神縁起絵巻は承久本や弘安本など、描かれた年代により様々ありますが
やはり北野天神縁起絵巻の世界を見ていく中で、「承久本」は外せません。
古来より数多く作られた北野天神縁起絵巻、その中でも現存最古かつ最優品とされているのが「承久本」です。日本の絵巻としては最大級の縦五二センチメートルの画面高を誇っています。
大きな特徴で、その躍動感と迫力を演出する要因になっているのが、本来横長の向きで使用する料紙を縦長に使用していることです。実際に見てみると、本当にその大画面で展開される絵巻に圧倒されました!紙を縦長に使用することで、必要になる紙の量が格段に増えるので、それだけ紙の用意があったことが窺えます。
北野天神縁起絵巻の中で、私が印象に残っている道真公を象徴する場面
一つ目は、まだ十一歳の道真公がスラスラと歌を詠み、父親を驚かせた場面
二つ目は、若い頃の道真公が籠って勉強ばかりしているため、漢学者仲間が「弓のことなど知らないだろう」と揶揄って道真公に弓を引かせたところ、なんと百発百中で的を射抜いた場面
道真公が文学・武芸どちらも類稀なる才能を持っていたことがしっかり描かれていて、神として崇めれれるだけの人物だったことが分かります。
【第三章 北野天満宮と芸能・文化】
この章では、北野天満宮に奉納された和歌や、刀剣などをみることができます。
一際存在感を放っていたのが
太刀 国綱ト銘ガアル(鬼切丸・髭切)
太刀 銘 ⬜︎忠(薄緑・膝丸)
後ろまで360度見ることができる展示ケースでした。
髭切
北野天満宮では、「鬼切丸」の号で呼ばれているそうです。付属する「鬼切丸伝来記写」によると足利泰氏から斯波氏の手に渡り、その後斯波氏の子孫である最上家が継承したとされています。明治に入り、最上家の手を離れるにあたって滋賀県令籠手田氏や有志の方々の尽力で、北野天満宮に奉納されたそうです。
膝丸
大覚寺では、「薄緑」の号で呼ばれているそうです。付属する「薄緑太刀伝来記」には、源満仲に始まる歴代の所有者が列挙され、安井門跡(蓮華光院)を中興した性演から道怨へ継承されました。明治に入り、安井門跡が廃された際に御影堂などが大覚寺に移築され、この太刀も大覚寺に納められました。
源氏に関する数々の名刀伝説を集約した二口。
実際に拝見すると、確かに似ているようで地鉄や刃文には違いを感じました。髭切は小板目肌が華やかで、膝丸は地鉄がよくつんで重厚さを感じる、似ているようで似ていない、、でも似てるところも確かにある、唯一無二の兄弟刀ですね。
博物館全体で大幅に展示替えされていて、とても見応えのある大満足の展覧会でした。刀剣乱舞コラボバージョンの音声ガイドも、髭切と膝丸のやり取りがとても可愛くて、ゲームでも聞けない、二人の関係性をとてもよく感じられるボイスになっておりますので、ファンの方はぜひ音声ガイドも併せて楽しんでみてください〜
京博後、実際に北野天満宮に足を運びました。
ライトアップイベントがあり、有料エリアまでは入らなかったのですが、それでも綺麗な青紅葉を見ることができました。
どっぷり北野天満宮の世界に浸れた1日、最高でした。
今回ご紹介した、京都国立博物館での展覧会は今月14日までなので、ご興味ある方はぜひ足を運んでみてください!